2015年4月24日金曜日

トランスジェンダーについて考えさせられた ABC の Bruce Jenner 独占インタビュー

Bruce Jenner (ブルース ジェンナー)1976 年のモントリオールオリンピックの金メダリストで、当時はアメリカ中の尊敬を集めるアスリートだった人ですが、ここ数年はアメリカで有名なリアリティーショー(テレビ番組) Keeping Up with The Kadarshians の Kris Jenner (2015 年に離婚成立)の夫として、また同番組のレギュラーとして有名でしたが、そのスポーツマンな彼が 65 歳にしてトランスジェンダーである事を公にし、金曜日の夜には ABC チャンネルで 2 時間の独占インタビューを放映。Bruce Jenner の外見が整形手術等でやや変わってきたな~というのは、昨年あたりからなんとなくテレビで見て知っていたのですが、女性への性転換説はこの独占インタビューを見るまでマスコミのでっち上げ、または Bruce はナルシストなんだろうな、と勝手に思っていました。

3度の結婚で、子供や孫もいる 65 歳の男性が、なんでまた今更女性になりたいんだろう? と思いながら見始めた 2 時間の独占インタビューでしたが、見終わる頃には、トランスジェンダーについて少し理解が深まった気がしました。Bruce をインタービューした Diane Sawyer が「アナタは女性だと思っている、だけど男性が好きなわけではない???」 の質問に、トランスジェンダーである事(Transgender)と性的指向(Sexual Orientation)は違う、という答えで、彼は自分の事は小さい頃から女性(であるべき)だと思っていたけれど、自分はゲイではない、といい、Diane Sawyer が、じゃあアナタはレズビアンなの? (=自分の事を女性だと思っていながら、女性と結婚して普通に子供も作っているので)と返すと、性的指向は(トランスジェンダーとは)別の話なのだと Bruce。最初は、え? 何だかよくわからない... と思ったのですが、ふと日本のビジュアル系ロックバンドの男の子達を思うと(彼らがトランスジェンダーだとは思っていませんが)、長い髪、お化粧を塗りまくり、中には女の子顔負けにキレイに見える男の子もいるのですが、彼らの中身は普通に「男の子」で、ゲイというわけでもなく… 見た目と中身は違う、というよい例? だと思うのですが、アメリカ人の旦那は日本のビジュアルロック系の男の子達を見ると全員ゲイだと思っていて、「いや、彼らはゲイではないんだってば!」と説明しても全然信じないというか、信じられない模様。

2 時間のインタビューで、トランスジェンダーの自殺率が非常に高いという話を紹介していましたが、自分の持って生まれた性別に疑問を持ち続けながら生きる(多くの例では誰にも打ち明けられないまま)のは、精神的にかなりの負担をかけながら生きるという事なんだろうなぁ... と思ったら、かわいそうに… という思いと、自分の子供が(今の所)そういう誰にも言えない悩みを持たずに暮らせている事は、当たり前のようでいてとても幸せな事なんだなぁと思いました。Bruce Jenner は彼のトランスジェンダーとしてのドキュメンタリー番組をこの夏に放映する予定だと語っていましたが、インタビューの冒頭で、Bruce の女性への性転換は、視聴率稼ぎのためのスタントなのではないか? と見る人達も多いけれど? という Diane Sawyer の直球的な質問に、そんなバカな理由でこんな事はしない、と言っていた Bruce の言葉には真実が籠っていると感じました。彼のドキュメンタリーがリアリティショーという枠を超えて、トランスジェンダーに対する啓蒙活動として社会に一石を投じるものになるのではないかな、と今日のインタビューを通して思いました。