2016年9月9日金曜日

Free Range Kid にためらう理由 ~ Jacob Wetterling 君の事件に思うアメリカでの子育て

27 年前に誘拐された Jacob Wetterling 君の事件については、きっと日本ではニュースにもならなかったと思うのですが、この一週間、自分の心の中にとても重たく感じたニュースでした。日本でも毎日にように子供が虐待によって死亡したりする事件が報道されていて、またか... と思うぐらい、悲惨なニュースは溢れていると思うのですが、Jacob Wetterling 君のニュースが自分の頭から離れないのは、自分自身が男の子を持つ母親で、Jacob 君のあまりにも理不尽で、あまりにもかわいそうな最期に、ただただ胃の中に重い鉛でも入っているような気分が続いています。犯人の男性は司法取引により Jacob 君の殺害の件では罪を問われない事になっているそうです。

この事件を知らない人のために、事件の概要と犯人の告白を要約すると、27 年前に弟と友達の三人でコンビニエンスストアへレンタルビデオを借りに行った帰り、ストッキングをかぶり銃を持った男に止められ、男は子供達の年齢を聞いたそうです。そして、三人の子供のうち二人に、後ろを振り返ったら撃つぞ、と脅し、家に帰るように言い、当時 11 歳の Jacob 君を誘拐してその後 27 年間二人の行方を知る人はいませんでした。Jacob 君の家族は遺体が発見されるまでの 27 年間ずっと Jacob 君の生還を信じていましたが、別件で逮捕されていた男性の告白により Jacob 君の最期が明らかになり、そのあまりにも悲惨な最期に泣き崩れたとの事でした。犯人は Danny Heinrich という 53 歳の男性で、性犯罪歴を持ち、他の少年を襲った件や、児童ポルノ所持などの件で逮捕されていたところ、27 年前の件について告白し Jacob 君の遺体の発見に繋がった模様。犯人の告白によると、Jacob 君を誘拐した後、彼は Jacob 君に性的暴行を加え、その後 Jacob 君が、「寒い、家に帰りたい」と言った所、家には帰れない、と言い、Jacob 君の後ろから、持っていた銃で Jacob 君の後頭部を撃って殺害したそうです。シリンダーには全部弾が入ってなかったようで、最初に引き金を引いた時には弾が出ず、Jacob 君は泣いていたとの事。犯人はその後も引き金を引き、3 発目の銃弾の後、Jacob 君は倒れたとの事でした。享年 11 歳の Jacob 君は、誘拐犯の男に「What did I do wrong?」(ボクが何か悪い事をしたの?)と質問したそうです。

"Nothing! You did nothing wrong!" (キミは悪い事なんて何もしていないよ!)と、思うだけで涙目になってしまいました。子供を持つ母親だから余計にそう思うのかもですが、このニュースを読んだ時に、この犯人の目には、きっと 3 人の中で、一番手頃な年齢で、一番かわいくて、一番魅力的に映ったのだろう... と思うと、このホモ男のクソ野郎!!!! と、他人事ながら行き場のない憎しみでいっぱいになりました。こういう少年を狙う性犯罪者達は、自分の中では、"ゲイ(gay)" ではなく "プレデター(predator)" であり、ホモ男のクソ野郎以外の何物でもない存在で、こういう男達は全員死刑にして欲しいと心底思います(アメリカでは死刑廃止に反対する人は野蛮な考えの人だと思われがちですが、極刑としての死刑は人間の社会には必要だと思う一人です)

この事件で怖いと思ったのは、誘拐事件が家の近所の比較的安全な場所で起きている事と、アメリカ人の11 歳の男の子という、ティーンよりは小さくても、子供としては大きな子供と言える年齢の子供が誘拐されている事と、やはり銃の怖さでした。うちの子も小学四年生になり、近所の同級生達の親達は、学校から徒歩 5 分程度という近距離という事もあり、新学期から子供達一人で家まで歩いて帰るのを容認している所が増えてきたのですが、この事件のニュースを見た後、旦那も自分も、自分達はまだジャックを一人で下校させる勇気はない... という結論に達し、小学校の隣にある中学に通うぐらいまでは送り迎えを続けたいと思いました。

日本と違って子供達だけで登下校をしたり、友達の家に遊びに行ったりするのが難しいアメリカですが、日本のように子供達だけで自由に外に送り出す親を Free Range Parents、また子供達だけで外に出かける子達を Free Range Kids とアメリカでは呼んでいますが、こういった犯罪が決して見知らぬ場所で起きているわけではなく、実際には安全だと思っている近所で起きている事を思うと、年齢的にももう一人子供を産んで育てられるわけでもない自分達は、ジャックを失ったら、もぅその代わりになるものは何もない、ジャックがまさに One and Only なので、過保護に見えるかもしれませんが自分達は Free Range Parents には当分なれないだろうな... と思いました。

この事件のニュースを見た後、ジャックには、たとえ銃を突き付けられて車に乗るように言われても、知らない人の車には乗らないように!! と、旦那と一緒に話して聞かせていました。もし乗ってしまったら絶対に生きて帰って来れない、マミーやダディ―を思って泣いても、もう後の祭りだと思うから、とにかく逃げる! 逃げきれずに撃たれても、命は助かるかもしれないし、絶対に、知らない人の車に乗ってはいけない! と言い聞かせていました。

今日性犯罪者が住所登録をするように義務付けられているのは Jacob Wetterling 君の事件のおかげだそうです。性犯罪歴のある人の情報は、住んでいる地域の警察の Web サイト等で情報が公開されているはずです。地元の警察の Web サイトに市内に住でいる性犯罪者(Sex Offender)の情報が載っていて、現在ベルビュー市には 81 人の性犯罪歴のある人物が住んでいるそうです。情報は適宜更新されますが、今年の 9 月 1 日に更新の情報ページ(pdf)に顔写真付きの情報が載っているので、ベルビュー市に住んでいる人は時々チェックしてみるとよいと思います。